「村上春樹にご用心」
村上春樹さんの
『1Q84』が、
発売以来ずっと
売れている。
(Book1は、
未だに入手
困難な状況
とのこと。)
さらに、
波及効果?
なのだろう。
村上春樹さんの
これまでの著作
『ノルウェイの森』
も売れており、
『1Q84』に
書いてある、
ヤナーチェクの
「シンフォニエッタ」が、
iTunesで数多く
ダウンロード
されているという。
良いことだと思う。
文学がひとつの
きっかけとなって
拡がっていくのは。
それまで、
静かだった湖面に
1つの石が
投げ込まれ、
岸辺まで拡がる
波紋のように。
昨日、
以前から読みたい
と思っていた
内田樹さんの
『村上春樹にご用心』
を読む。
(これも1つの
波及効果??)
とてもわかりやすく、
軽快なリズムで
大切なコトが
響いてくる1冊。
村上春樹さんの
著述を引用し、
内田樹さんの
「言いたいこと」
が述べられている。
中でも、
「家族」に関する
著述が興味深かった。
まずは、
村上春樹さんの
著述の引用から。
「僕は思うのだけれど、
家族というのは
これはあくまで
暫定的な制度である。
それは絶対的な
ものでもないし、
確定的なものでもない。
はっきり言えば、
それは通り過ぎて
いくものである。
不断に変化し
移りゆくものである。
そしてその暫定性の
危うさを認識する
ことによって、
家庭はその構成員の
それぞれの自我を
ソフトに吸収して
いくことができる。
それがなければ、
家庭というものは
ただの無意味な
硬直した
幻想でしかない。」
(『村上朝日堂 はいほー!』)
それに対する
内田樹さんの
著述はこう。
「これに付け加える
べき言葉を
私は持たない。
(中略)
安定的で恒久的な
ものは人間たちを
統合することが
できない。
勘違いしている
人が多いけれど、
私たちが何かに
はげしく惹き付けられ、
それに固着するのは、
それが移ろい、壊れ、
消えてゆくものだからだ。
(中略)
家族もまた
同様である。
それが
人間たちを共同的に
生きさせるために、
人間が作り出した
制度である以上、
それもまた
『失われるもの』
を軸として
構造化されなければ
ならない。
家族が家族として
成立するのは、
そこに集うメンバー
たちがいずれ必ず
消え去ることが
確実だからだ。
(中略)
家族とは
誰かの不在を
悲しみのうちに
回想する人々を
結びつける